1.01 PILOT -- 第1話 物語のはじまり --  
 Original Airdate: 10/23/2011
 Directed by Mark Mylod + Written by Edward Kitsis & Adam Horowitz
 Guest Star: Tony Amendola (Marco/Geppetto), Lee Arenberg (Leroy/Grumpy) ほか。
 
参照作品: グリム兄弟著・編集 『白雪姫』、『ランプルスティルスキン』ほか。

 
昔、むかし、あるところに魔法の森の国がありました。
 そこには、私たちがよく知っている物語の登場人物たちがたくさん住んでいたのです。
 ある日、彼らは自分たちの物語の結末に待つ「幸せ」が何者かに盗まれ、別世界に
 閉じ込められてしまいました。・・・私たちの住む世界です。

     
 
*** おとぎの国 ***
 魔法の森に向かって、チャーミング王子は馬を走らせた。間に合わないかもしれない。
 7人の小人たちが集まっていた場所にやっとたどり着いた。彼らは棺を囲んでいた。
 「手遅れです」ひとりの小人が王子に告げる。
 愛する白雪姫は、息絶え帰らぬ人となっていた。失意の王子は、せめて最後にお別れを
 させてほしいと棺をあけるよう小人たちに頼む。降りしきる雪のなか、王子は白雪姫にキスをした。
 すると、瞬く間に雪はやみ、陽が森を包むと、白雪姫は息を吹き返したのだ。
 「探してくれたのね」と喜ぶ白雪姫に、チャーミング王子は当然だと答えた。

 毒りんごによる眠りから覚めた白雪姫はチャーミング王子の求婚を受け入れた。
 多くの人々に祝福されるなか、二人は結婚式をあげる。
 しかし、そこへ突然、来客が現れた。「遅くなって、ごめんあそばせ」
 白雪姫の継母、悪の女王だ。王子と白雪姫は彼女を追い返そうとするが、女王は大事なことを
 伝えに来たと言い出した。それも、ここにいる全員にかかわることだというのだ。
 「私の計画を聞いたら、驚くわよ。あなたたち、全員の幸せとやらは私がこの手で必ず
 つぶしてみせる。自分の命と引き換えになってもね」 女王はそう言うと、城から姿を消してしまった。


      


    
 
***ボストン***
 ボストンを走るバスが間もなく停留所に停まろうとしていた。
 バスのなかで、一人の少年が白雪姫の物語の描かれた童話の本を読んでいる。
 「そのお話面白い?」すぐそばに座っていた女性が尋ねてくる。
 少年は少し考えてから、「作り話とはちょっと違うんだ」と答えた。
 バスを降りた少年は、タクシーを止める。「カード払いで」とクレジットカードを見せて、乗った。

 ピンクのドレスを着たブロンドの女性がエレベータから降りてきた。
 降りた階は、多くの客で賑わうバーだった。どうやら、ブラインドデートの相手と待ち合わせ
 ているようだ。「エマ・スワンさん?」待ち合わせの男性と思しき人物が近づいてきた。
 相手を確認し、さっそくドリンクを注文する。少し緊張気味の男性だが、エマは打ち解けようと
 話を広げようとする。「第一印象、言ってもいいからしら。ハンサムでチャーミングだってこと以外で」
 「続けて」と男性は言う。「見当はずれだったら言ってね。あなたは・・・会社のお金を使い込んだのが
 バレて、逮捕されてた。保釈金を奥さんに払わせといて、トンヅラのあげく、こんなところでデートしてる
 ・・・たいした亭主なのは間違いなさそうね」 表情を曇らせ、男性は一目散に逃げていく。
 エマは腕利きのバウンティーハンターだったのだ。相手を車まで追いかけ、捕まえる。
 金ならあるから、見逃してくれるよう頼む男性にエマは呆れて言い放った。
 「一文無しなのは分かってるのよ。お金があるなら、それは奥さんと家族に渡すのね」
 「君に人の家族の何が分かるっていうんだ」
 エマは、男性の頭をハンドルに叩きつけた。「何一つ、分からない」


    
 
帰宅したエマは、疲れた様子で紙袋から、ひとつのカップケーキを取り出す。
 星形のろうそくに火をつけ、カップケーキに立てて、小さな灯りを眺めていた。
 今日は自分の28回目の誕生日だったのだ。「今年も、踏んだり蹴ったりよ」
 エマは目を閉じて、願い事をし、ろうそくの灯を消した。
 ピンポーン。インターホンだ。
 エマがドアを開けると、一人の少年が立っていた。少し驚きながら、用件を聞いてみる。
 「あなた、エマ・スワンさん?」「そうだけど、君は?」 次に少年が発した言葉にエマは耳を疑った。
 「僕の名前はヘンリー。あなたの息子です」

 ヘンリーは自己紹介を済ませると、すばやくエマの家に入っていった。
 「ちょっと、君。私に子どもなんて・・・」
 「10年前だよ。男の子を産んで、すぐ養子に出したでしょ?あれ、僕なんだ」
 エマは言葉を失い、トイレに駆け込み、何とか平常心を保とうとした。
 トイレから出てくるやいなや、ヘンリーはエマに言った。「そろそろ、行こうか」
 ヘンリーはエマに自分の家に来てほしいと言う。困り果てたエマは、警察に電話をしようと
 するが、電話をしたら、自分は誘拐されたと言うからと逆に脅しをかけてきた。
 「産みの親だから、やりかねないって?」とエマ。「そういうこと」
 「君、賢く構えてるけど、私にも武器があるの。どんな嘘でも見抜けちゃうのよ」
 まずいと感じたヘンリーは、こう返した。「お願い、警察は呼ばないで。でも、ここまで
 来ちゃったから、家まで送っていってほしいだけなんだ」
 「お家はどこなの?」「メイン州のストーリーブルック」
 エマは疑い深そうに返した。「ストーリーブルックっていうの?」
 うなずくヘンリー。「了解。ストーリーブルックまで行きますか」
 エマは家まで送ることを了承すると、ヘンリーは嬉しそうに後に続いた。

 

      
 ***おとぎの国***
 チャーミング王子の城。バルコニーには、第一子の誕生が待たれる白雪姫の姿があった。
 結婚式で、悪の女王がどんな手を使ってでも自分たちの幸せを壊すと言い放った一件で
 白雪姫は憂鬱な日々を送っていた。チャーミング王子は精一杯、彼女を励ます。
 「ただの脅しだったんだよ。あまり思い悩むことじゃない」
 「本当にそう言い切れる?毒りんごで私を殺そうとした人よ?彼女は何だってやりかねない」
 白雪姫の言葉に、王子はどうすれば安心できるかと尋ねる。
 「『彼』に会わせて」王子は首を振った。「だめだ。危険すぎるし、今は投獄されてる身だ」
 「あなたは子どもの安全をどこまで保障できる?彼ならできるってあなたにも分かるでしょう?」
 しばらく黙り込む王子だったが、白雪姫の強い思いに押されるように答えた。
 「分かった。子どものためになるなら」



        

       
 ***ボストン***
 「ドライブスルーとかないの?」ヘンリーは空腹のようだった。
 「寄り道はしません。遠足じゃないのよ、坊や」
 「坊やじゃなくて、名前は『ヘンリー』だってば」そう答えるとヘンリーは童話の本を取り出す。
 「何それ?」エマの質問にヘンリーは少し答えづらそうに言った。「お姉ちゃんに聞かせるには
 早いと思うんだ」意外な答えにエマは少し笑う。「まだ早いって、おとぎ話でしょう?」
 ヘンリーはエマをまっすぐ見て言い聞かせた。「これは、ただの作り話じゃないんだよ。
 この本に書かれてる出来事は本当に起こったんだ」
 地雷を踏んでしまったような顔をしながら、エマは軽く聞き流すことにした。
 「信じない?得意技のうそ発見器にかけてみてよ」
 ヘンリーの目を見てみるエマ。どうやら、本当のことを言っているらしい。
 「あのね、本気で信じてることだからって、本当にあったことにはならないでしょ」
 その言葉にヘンリーは反論する。「何言ってるの。信じるから、本当に起こったりするんだよ。
 お姉ちゃんなら、誰よりも分かってるはずなのに」
 「ひっかかる言い方ね」「この本に出てくるんだもの。お姉ちゃんが」
 深いため息をつくエマ。「今ので君のこと、本気で心配になってきた」
 「大丈夫。もう救世主は見つけたからさ」



 ***おとぎの国***
 白雪姫とチャーミング王子は、ある男に会うために地下にある牢屋に案内されていた。
 看守によると、顔や名前は一切伏せて、対話するときは細心の注意が必要だと言った。
 三人は牢屋の手前までやって来た。「ランプルスティルスキン!話がある」
 

    
 
「おやおや、白雪姫とチャーミング王子が面会とは」
 ランプルスティルスキンには全てがお見通しのようだった。「女王の脅しのことで来たのだろう?」
 「知っていることがあるなら、言って」白雪姫は声をあげた。
 「まあ、案ずることはない。だが、交換条件がある」ランプルスティルスキンは彼らを罠に
 かけようとしていると感じた王子は妻を連れて帰ろうとするが、白雪姫は望みは何かと問う。
 「そうだな・・・『生まれてくる子の名前』はどうかな」白雪姫は了承した。
 ランプルスティルスキンは語り始めた。「女王は王国に呪いをかけようとしているのだよ。
 もうすぐその時が来る。私たちは皆、大きな牢屋に閉じ込められる。『時間』とともにね。
 愛する人とは引き離され、永遠に時の止まったなかでもがき苦しみ、幸せは二度と訪れない」
 彼の話を聞いていた白雪姫は尋ねた。「どうすれば、いいの?」
 ランプルスティルスキンは、白雪姫のお腹を指しながら、その子どもが救世主になると言った。
 「その赤子こそが希望だ。何としてでも、その子を守れ。子どもが成長して、28歳の誕生日を
 迎えたときに、子どもはお前たちのもとへ帰ってくるだろう。二人をきっと探しに来る。
 そこから、最後の戦いの火ぶたが切られるのだ!」
 高笑いをしながら、語るランプルスティルスキン。王子は白雪姫を連れて、去ろうとする。
 「おい!!子どもの名前を教えろ!!交換条件だぞ!!」
 怒鳴り声を響かせるランプルスティルスキンの方を振り返り、白雪姫はつぶやいた。
 「名前は、『エマ』よ」名前を聞くと、ランプルスティルスキンは満足げな表情を浮かべた。



 ***ストーリーブルック***
 ようやく目的地・ストーリーブルックにたどり着いたエマとヘンリー。
 「何番地?」「角を曲がって、教えるもんか番地」
 エマは車を止めて、外に出た。ヘンリーも助手席から降りた。
 「悪いけど、もうこっちはクタクタなのよ。今何時だと思ってるの?」
 時計台の針は、あいにく8時15分を指したまま止まっているようだ。
 「僕がここに来てから時計が動いてるのを見たことがないんだ。時が止まっちゃってるからね。
 悪の女王の呪いのせいだよ。魔法の森の国の人たちをみんなこの町に閉じ込めたんだ

 「はあ?待って、その悪の女王が童話のお姫様や王子様をメイン州に連れてきたっていうの?
 でも閉じ込められてるって言ったって、嫌なら、みんな出ていけばいいじゃないの」
 「それはできないの。町を出ようとすると、その人に災いがふりかかるんだから」


      
  二人が話していると、ある一人の男性が声をかけてきた。ヘンリーの知り合いのようだ。
 「こんな時間に何してるんだ?」飼い犬のダルメシアンを連れたこの男性をヘンリーは
 『アーチー』と呼ぶ。エマを見て、アーチーは不思議そうに尋ねた。「この人は?」
 「単なる運転手です」と返すエマ。「僕のお母さんなんだ」間髪を入れずにヘンリーは付け足した。
 「ああ、へえ、そうなんだ。なるほど・・・」
 エマはアーチーにヘンリーの住所を知っているかと尋ねると、彼が実は町長の息子だという
 ことを明かしてくれた。「君の親って町長なの?」言葉をにごすヘンリー。
 アーチーはヘンリーのかかりつけのカウンセラーらしく、ずる休みをしたヘンリーに言い聞かせる
 ように語りかけた。「前にも話したよね。嘘からは何も生まれない。心の闇に屈するんじゃないぞ」
 「先生?もう遅いですから、家に帰らせたいんですけど」エマの言葉にうなずくアーチー。
 「そうだね。じゃあ、気をつけて。またね、ヘンリー」

 エマはヘンリーを見た。「精神科の先生なんだ」
 「僕の精神はいたって正常です」とヘンリーは返した。
 「異常だなんて言ってない。ただ、あの先生は呪われてなさそうよ。君の助けになりたいだけ」
 「助けが必要なのは、アーチーの方なんだってば。自分が誰なのか覚えてないんだよ?
 彼だけじゃない。この町の人はみんな自分が誰なのか全部忘れちゃってるんだ」
 エマは納得し始めていた。「何となくルールが分かってきた。じゃあ、あの先生は何のキャラなの?」
 「ジムニー・クリケット」
 「嘘をついてはいけない、っていうやつね。さっき、鼻伸びたんじゃない?」
 「僕はピノキオじゃないよ」二人は車に乗り込み、ヘンリーの家へと向かう。



      
 ***おとぎの国***
 チャーミング王子は、女王の呪いの計画を受け、城にて仲間を集めていた。
 王子は女王が動く前に先に戦いを仕掛けるべきだと主張した。ジムニー・クリケットは反対する。
 7人の小人のうちの一人は、本当にランプルスティルスキンは信用できるのかと問うた。
 「何をしても呪いは回避できないかもしれないわ」白雪姫は、状況に絶望していた。
 「いや、みんなで力を合わせれば乗り切るんだ。ランプルスティルスキンの言う呪いが本当なら、
  僕らの子どもが救世主になるという予言だって、本当だということだ。希望は捨てるな」
 そこへ突然、大木を背負った兵士たちがやってきた。何事か説明を求めると、ブルーフェアリーが
 この大木は魔力が宿っており、いかなる呪いからも人を守ることができるという。
 「ジェペット。この木をつかってシェルターを作ることはできるかしら?」
 妖精の問いに、人形師のジェペットはうなずき、息子のピノキオとやってみせると答えた。
 安堵の表情を浮かべる白雪姫とチャーミング王子。ブルーフェアリーはつけ加えた。
 「ただし、ひとつ大事なことがあるの。この木に宿る魔力をもっても、人ひとりを守るのが
 精一杯。呪いから守られるのは、一人だけ」



 ***ストーリーブルック***
 「お願いだから、家に帰さないで」ヘンリーは家に着くや否や言った。
 「何をそんなに嫌がるのよ。親に心配かけて悪いと思わないの?」
 「いるのは、お母さんだけだよ。しかも、極悪人のお母さん」
 「極悪人って、それは言い過ぎよ」
 「でも当たってるんだ。僕のこと、愛してるふりしてるだけなの」
 エマはそんなはずないと言い出したが、それと同時にドアが開き、なかからヘンリーの母親と
 保安官が出てきた。「ヘンリー!どこ行ってたのよ。心配するじゃない。何があったの?」
 「本当のお母さんを見つけたんだよ」母の腕をふりほどいて、ヘンリーは家のなかに走って
 行ってしまった。保安官は、様子をみてくるとその場を後にする。
 泣きはらした目をした母親は、エマをじっと見る。「あなたがヘンリーの産みの親なの?」
 「はじめまして・・・」居心地の悪いエマだったが、母親は彼女を家のなかへ招き入れた。

 
        
 
 「でも一体どうやって、私のこと探し当てたのか」エマは不思議に思っていた。
 「さあ、生まれて3週間でうちの子になったの。私も産みの親の情報は何一つなし。父親は?」
 エマは父親は子どもの存在さえ知らないと言った。町長をしているヘンリーの母親レジーナは
 自分は息子を厳しくしつけているかもしれないけれど、全ては息子を思ってのことだと話す。
 「それって、悪い母親ってことにならないわよね?」レジーナはエマを見た。
 「まさか。子どもらしく想像力が豊かなだけだと思いますよ。ほら、童話の本に夢中だし」
 「童話の本?」エマは、ヘンリーが童話の本を持ち歩き、町の人をキャラクターに例えてる
 ことを話した。しかし、レジーナは何の事かまるで見当がついていないようだった。
 「私が色々聞きほじることじゃないですね。あの子はあなたの息子ですから。もう帰ります」
 
 エマは車を走らせ、町を出る手前まできて、ヘンリーが童話の本を助手席にわざと置き忘れた
 ことに気が付いた。呆れて、道から一瞬目を離すと目の前に突然オオカミが現れた。
 急ブレーキをかけるが、雨で滑りやすくなった道にタイヤがスリップした。
 看板に激突した衝撃で、エマは気を失った。



      
 ***おとぎの国***
 城では、ブルーフェアリーの言ったようにジェペットとピノキオが呪いからたった一人を守る
 ため、大木から大きな衣装だんすを作っていた。もうすぐに完成だ。
 白雪姫は、チャーミング王子を残して自分とお腹の子だけが助かることに不安を感じていた。
 「やっぱり、あなた一人を残していけないわ」
 王子は白雪姫を落ち着かせようとする。「方法はこれしかないんだ。28年経てば、また
 一緒になれる。そう信じることにしよう」
 涙を流し、苦渋の決断を下した二人だが、白雪姫は突然お腹をおさえた。
 「どうしよう。赤ちゃんが・・・もう産まれてしまうわ・・・」

 城の見張り台には、怒りんぼうと寝坊助が女王の動きに監視の目を光らせる。
 すると、山の間から黒い霧が森を包み、城の方へ押し寄せてきた。
 怒りんぼうは鐘を鳴らし、叫んだ。「女王の呪いだ!」




 
***ストーリーブルック***
 誰かの吹く口笛で目を覚ましたエマは、警察署の留置所に入れられていることに気が付いた。
 口笛を吹いていたのは隣に入っていた用務員の男だった。「何見てんだよ」
 「これ、リーロイ。客人に失礼だろう。君は、ヘンリーの産みの母親だそうだね」
 事務室から声をかけてきたのは、白い髭の老人であった。エマは自分はヘンリーを引き取りに
 きたのではなく、送りに来ただけだと言った。「無理もないな。ガキは面倒くせえから」とリーロイ。
 その答えに老人は、子どもは宝であり、自分自身子どもはいないが、ずっとほしいと願っていた
 ことを話した。「泣かせるね」憎まれ口をたたくリーロイのもとに、昨日町長のところで会った
 保安官グレアムがやってきて、彼を釈放する。「君はまずその態度を改めろよ」


     

 
「ちょっと、この扱いって必要?」エマは自分はただ単に車をスリップさせただけで、飲酒運転は
 していないと説明した。「オオカミがいたのよ、道のど真ん中に」
 そこへ、レジーナがヘンリーがまた家出をしたようだと言いながら、現れた。
 「あなた、まだいたの?ヘンリーはどこ??」
 「私に聞かれても。昨日から見てませんよ。ほら、見ての通り。アリバイも完璧」
 エマはレジーナにヘンリーの友達に聞いてみたかを尋ねたが、ヘンリーには友達はいないと
 言ってきた。人探しを得意とするエマは、ここから自分を出してくれれば一緒に探す手伝いが
 できると言い、レジーナにヘンリーの部屋まで連れて行ってもらうことにした。
 部屋のパソコンの履歴はきれいに削除されていたが、エマは奥の手を使い、ハードドライブの
 履歴を見ることに成功した。「母親を探すサイト、なんて見てたのね。お金までかかるのに。
 クレジットカード使わせてるんですか?」エマの問いに、レジーナは10歳の子どもに渡すはずない
 と否定した。「でも、使ってるみたいですよ。カードの名義は、『メアリー・マーガレット・ブランシャード』
 ってなってる。お知り合いですか?」その名前に顔色を変えるレジーナ。「ヘンリーの学校の先生よ」


      
 
 ヘンリーのクラスでは、メアリー・マーガレットが子どもたちに鳥の巣箱の作り方を教えていた。
 「作るのは、かごじゃなくて『お家』よ。思いやりをもって作ってあげること。そうすれば
 小鳥もみんなの作った家に戻ってくるわ。愛情があれば、その人のもとに必ず帰ってくる」
 チャイムが鳴ると、子どもたちは休み時間に入った。
 そこへ、レジーナとエマが教室にやってきたので、メアリー・マーガレットは驚いた。
 「息子はどこなの?」早くも問いつめるレジーナに困惑気味の彼女はエマの存在に気付く。
 「彼女は産みの母親よ」エマたちに自分のクレジットカードをヘンリーが使ったようだと
 言われ、財布を確認する。カードがないことに気付いたメアリー・マーガレットはため息をついた。
 「あんな本渡すんじゃなかったわ」「本って?あの童話の?それと何の関係があるの?」
 メアリー・マーガレットは説明した。「ただの童話の本です。ヘンリーは、本当に感性の豊かな
 お子さんですが、同時に孤独を感じてる。少しでも助けになるかと」
 「『作り話』が助けになるっていうの?聞いてあきれるわ」レジーナは彼女の出しゃばった態度が
 気に入らず、エマにはもう帰っていいと言い残し、出て行ってしまった。
 彼女が出て行ったあと、エマは居心地が悪そうに邪魔をして申し訳なかったと言った。
 「いいんです。私も余計なことをしたからこうなったんだし」

 エマはヘンリーが持ち歩いていた本のこと聞いた。「童話が、何の助けになるんですか?」
 「そもそも、どうして私たちって童話を読むと思いますか?この難しい世界で生きていく
 ために説明を求めてるからだと思うんです。すべてに答えがあるような世界じゃないけど、
 童話と重ねて考えると、少しだけ生きやすくなることもあると思いませんか?」
 「まあ、確かにあのお母さんと一緒に住んでたら、息がつまりそう」とエマは言った。
 メアリー・マーガレットは彼女だけが原因なのではないと思うと話した。
 「養子っていうこともあって、悩むんですよ。『何で自分は手放されたのか』って・・・」
 エマを目の前にして、まずいことを言ってしまったと慌てるメアリー・マーガレット。
 「ごめんなさい。事情も知らないのに本当勝手なこと・・・。あの、私があの本をヘンリーに
 渡した理由は単純なんです。あの本の話には、『希望』があるから。幸せになれる望みを抱く
 ことってとても大事なことだから」エマは彼女がヘンリーの居所を知っていると確信した。
 「海辺のお城。ヘンリーの秘密の場所なの」



     

 ***おとぎの国***
 女王の呪いが城に迫るなか、白雪姫は赤ん坊を産んでいた。
 生まれる直前にジェペットが衣装だんすができたことを知らせに来たが、もう遅かった。
 元気な産声をあげるわが子を見つめるチャーミング王子と白雪姫。
 「衣装だんすが・・・ひとりしか守れないって・・・」白雪姫はつぶやいた。
 王子は作戦は失敗に終わってしまったが、家族一緒にいられるだけでも幸せだと思うことにした。
 「だめよ・・・この子だけでも連れて行って。衣装だんすに入れてあげて」
 「何言ってるんだ。そんなことできるわけないだろ」
 白雪姫は反論する。「そうするしかないの。きっと、私たちを探してくれるはずよ。この子にとって
 幸せになれる方を選んであげなきゃ。・・・信じなきゃだめよ」
 涙ながらに白雪姫に説得される王子。白雪姫は、赤ん坊にキスをした。「さようなら、エマ・・・」
 胸をひきさかれる思いで、剣を片手に赤ん坊を衣装だんすへと運んでいくチャーミング王子。
 城のなかには、すでに女王の傭兵たちが入り込んでいた。
 王子はわが子を守り、途中で負傷をするも、何とか衣装だんすまでたどり着き、彼女を中に入れた。
 「必ず見つけてくれよ」そうつぶやくとドアを閉めた。
 一瞬のすきをつかれた王子は傭兵たちに剣で刺され、そのまま倒れてしまう。
 傭兵が急いで衣装だんすをあけるが、もうそこに赤ん坊はいなかった。
 それを確認した王子はゆっくりと目を閉じる。


 ***ストーリーブルック***
 木でできた海辺の城にヘンリーが一人で腰をかけていた。
 エマは後ろから現れ、童話の本を手渡した。「時計台、まだ動いてない?」
 「お姉さんを連れて来れば、変わると思ったんだ。時間も何もかも動き出して、最終決戦が始まるんだ」

 「お姉さんは戦士なんかじゃないのよ」
 「そうなんだってば。ここに来る運命だったの。これから、みんなの幸せを取り戻すんだ」

      

 ヘンリーの話にエマは童話の話はやめるように言った。
 「そんなにつっぱらなくても良いよ。僕のこと、嫌いじゃないんだよね。ただ僕といると罪悪感を
 感じるんでしょう。でも、お姉さんを責めたりなんかしてないよ。僕を手放した理由を知ってるから。
 ・・・僕に幸せになってほしかったからだよね?」
 エマは言葉を失った。「・・・どうしてそれが分かるの?」
 「白雪姫がお姉さんを手放した理由と同じだからだよ」
 「いい?私は、お話のなかの登場人物でも、救世主でもないのよ。本物の人間なの。
 でも君の言ってることは正しいよ。私は君に幸せになってほしかったの。それは、私とじゃなくてね」

 エマはそう話すとヘンリーに家に帰るよう促した。ヘンリーはまだかたくなに拒んでいる。
 「お願い。一週間だけでいいから、ここにいて。そうすれば、僕が嘘ついてないってわかるから。
 あの人のところに帰さないで。一緒にいて、どんなにみじめか・・・」
 エマは涙ながらに声をあげようとする。「みじめ?何がみじめか教えてあげようか?私の親なんて
 道のど真ん中に私を置き去りにしたのよ?里子に出されて、3歳になると育ての親は自分の子が
 できたからって私を里子の家にさっさと戻して私のことなんて忘れちゃった・・・」
 ヘンリーもエマの話に耳を傾けて泣いていた。エマはため息をついて諭す。
 「あなたのお母さんは、精一杯やってるわ。そりゃ上手くいかないこともあるかもしれないけどね。
 お母さんは君のことを必要としてることは確かよ」
 「お姉さんの親は道に置き去りにしたわけじゃないんだよ。その道は衣装だんすから続いてたんだよ。
 そこを通ってこの世界に来たの。呪いから守るために、お姉さんを助けるためにやったことだよ」
 ヘンリーの真剣なまなざしにエマは何も言えなくなってしまった。
 「それも、悪い話じゃないわね・・・」 エマはそう言って微笑むとヘンリーを連れて海辺を後にした。



 ***おとぎの国***
 白雪姫は、子どもと王子のことが気になり衣装だんすまで壁をつたって歩いてきた。
 そこにはすでに瀕死のチャーミング王子が横たわっていた。
 「そんな・・・お願い、目を覚まして」 真実の愛のキスをもっても、王子が目覚めることはなかった。

       
 そこへ悪の女王がやってきた。
 「悲しむことはないわ・・・あと少しすれば、彼のことなんて忘れてしまう。出会ったことも愛したことも」
 白雪姫はじっと女王を見た。「・・・なぜ、こんなこと?」
 「これが、私の幸せの結末だからよ」女王は、二人の子どもはどこかと傭兵に聞いた。傭兵が衣装
 だんすの中から消えたと答えると女王は血相を変えて、白雪姫に居場所を問い詰めた。
 白雪姫はほっとした表情を浮かる。「逃げきったのね・・・良かった。・・・女王様、あなたに勝ち目はない。
 あの子は必ず私たちのもとに帰ってきてくれる・・・」
 「・・・それはどうかしら」
 女王はそう言うと、城を包む呪いの霧を呼び込む。城ごとどこかに連れて行かれていくようだった。
 「一体どこへ行くの?」白雪姫は王子を抱きしめながら、女王に問う。
 「恐ろしい場所よ。身の毛もよだつ、恐ろしい場所。幸せになれるのは、この私だけ」


     
 
***ストーリーブルック***
 エマはヘンリーをレジーナの待つ家まで送っていった。
 ヘンリーが帰ってきたのを確認すると、レジーナは「ありがとう」とエマに感謝した。
 「すごく不思議なんです。昨日、実は私の誕生日で小さいケーキを買ってきて一人でろうそくの灯を
 つけて、『一人で過ごす誕生日はもう嫌だ』って思って消したら、ヘンリーが現れて・・・」
 エマの話をさえぎるようにして、レジーナは念を押した。「勘違いされては困るので言っとくわね。
 まさかそれをキッカケにヘンリーの人生のなかに入りたいなんて思ってないわよね?彼は私の息子よ」
 「・・・私、そんなつもりじゃ・・・」
 「いいこと、スワンさん。あなたは10年前にあの子を捨てたの。その間何してたか知らないけど、私は
 ヘンリーのおむつを毎日かえて、病気の看病までしてきた。だからあなたが親だと名乗る資格はないわ。
 分かったら、とっとと町から出て行ってちょうだい。じゃなきゃ、来たことを後悔させるから」
 予想もしていなかったレジーナの脅しにエマは黙って聞くしかなかった。だが彼女が背を向けた瞬間、
 エマは聞いた。「あの子のこと、愛してますか?」
 レジーナは眉をひそめて答えた。「当たり前でしょ。心の底から愛してるわ」

      
 
レジーナはヘンリーの部屋から童話の本を持ち出した。
 その本を見つめ、胸に抱きながら大きな鏡のなかをまっすぐ見つめていた。

      
 
 ストーリーブルック病院では、メアリー・・マーガレットが入院患者のためにボランティア活動をしていた。
 彼女はある一人の入院患者の部屋を訪れ、白い花を飾っていく。

      
 時刻は8時15分。時計台の針は、ずっと動かないままだ。
 エマは町にある小さな民宿を訪れた。中に入ると、女主人と思われる女性と孫娘が口論をしていた。
 「毎日夜遊びばっかりして、精が出るわね」「こんなことだったら、とっととボストンに行くんだったわ」
 「すみません、空き部屋ってありますか?」 突然の来客に驚きながらも女主人は嬉しそうにエマを
 歓迎した。「お名前を頂戴してもいいかしら?」「スワンです。エマ・スワン」
 「エマ・・・」後ろから声をかける一人の男性。「素敵な名前だ」
 軽く会釈をするエマ。どうやら男性はこの宿の主人のもとへお金を回収しに来たらしい。
 「どうぞ、ごゆっくり。エマ」金を受け取り、去っていく男性。
 「今の、どなたですか?」 エマの問いに娘は答えた。「ミスター・ゴールド。ここのオーナーよ」
 女主人は「正確には、町全体のね」と付け加えた。
 「・・・それで宿泊期間は?」「1週間だけでいいです」
 部屋の鍵を渡す女主人。「ストーリーブルックへようこそ」

      
 時刻は8時15分。ヘンリーは部屋から時計の針を見つめる。
 時刻は8時16分。針がゆっくり動いた。
 ヘンリーはその瞬間、笑顔をのぞかせるのだった。

 (終わり)


 
 第1話
『物語のはじまり』 @管理人レビュー 
 お気に入り度 5/5
★★★★★


 ということで、初回です。このドラマがスタートしたのは、2011年秋でした。
 いつも北米ドラマの新シリーズは実際ばっちりチェックすることはなくても、何となく気になって観て
 しまっているので、このときも当然『ワンス・アポン・ア・タイム』のことは放送前から知っていました。
 実際に私が観始めたのは、去年の夏から秋にかけてです。童話だとかファンタジーに目がない私は
 観たい気持ちに押されてDVDをオーダーして鑑賞しました。
 これが、初回から私のハートを射止めることになろうとは(笑)。
 
 まずクリエイター陣に大ヒットSFミステリードラマ『LOST』を手掛けたアダム・ホロヴィッツらの名前が
 ある時点で、おとぎの世界と現実の世界のパラレル・ワールドの描かれ方が気になって仕方が
 ありませんでした。『LOST』のコアファンではなくても、主人公らの過去と現在を交差させた巧みな
 演出は観てて上手いとうなります。
 それは、このドラマでも光ってる印象です。つなぎ方がすごく好きです。

 舞台別に気になったところを書くとしますか。まだ模索中ですが・・・。

 ***おとぎの国***
 公式では、「おとぎの世界」になってるかも。ま、分かりますよね?
 参照作品はもちろん、グリム童話で有名な『白雪姫』。
 やはり小さいころにおとぎ話を聞いて育った(ディズニーでも良い)人にとっては、こういう実写版で
 おとぎの世界をのぞくのはワクワクせずにはいらないと思います。

 オープニングは毒りんごを口にした白雪姫が王子のキスで眠りから覚めるところ。
 視覚効果、テレビとはいえ、うまく使われていると思います。
 予算があるなかで、おとぎの国の撮影はほぼグリーンスクリーンのなかで行われているが、
 テレビとは思えないくらいの頑張りは感じるので、これはABCを褒めるべきかな。

  仲睦まじい。

 白雪姫役のジニファー・グッドウィンほど、この役が似合う女優は今いるだろうか。
 それくらいピッタリ。丸顔も黒髪もディズニーアニメからそのまま飛び出してきたみたい。
 王子役のジョッシュ・ダラスも良い。飛びぬけてアニメ顔じゃなくて、現実的に(なんだそりゃ)
 ハンサムな人をキャスティングしてくれたと思います。うん、王子服も似合う。
 ジニファーとの相性も抜群。この二人私生活で恋人同士だもの、いやマジです(笑)。

  女王はジュリロバ!  
 私の勝手なイメージで、ディズニーの今までの王子を全部足して平均的な顔を出したら、
 アーミー・ハマーが王座に君臨しているだろう。絵に描いたようなアニメ顔すぎるし。
 実際アーミー・ハマーは映画『白雪姫と鏡の女王』で王子役を演じてましたね。>余談。

 おとぎの国でシーンをかっさらっていくのは、ランプルスティルスキンです。
 今から言っておく。悪の女王と彼がいてこのドラマが成り立っていると(笑)。
 ロバート・カーライルのやりすぎ具合がちょうど良いんだなー。上手いよ、彼は。
 ランプルスティルスキンの話は、このドラマを観てるときに初めて読みました。
 ドリームワークス作品『シュレック・フォーエバー』でどれくらいランプルが出てきたときにピンと
 きた人がいただろうと思ったりする。ちびっこいが、一応、悪役だった。
 グリム童話は知っていても、ランプルの話は読んだことがない人が多いと思う。
 でもランプルみたいな人は現実社会にたくさんいそうだよね。悪の女王タイプよりも絶対多い
 それが面白い。初回で白雪姫に助言しつつ、裏で色々画策してるので今後のストーリーに
 注目してみてください。

 悪の女王レジーナを演じるラナ・パリラ
 絵に描いたようなヒステリー・ママ兼悪の女王を演じるのは正直爽快だと思う。
 最初のうちは、そればかりが目につくが、物語が進んでいくうちに彼女の行動の背景にある
 出来事が暴かれていきます。悪の女王は衣装が毎回豪華なので、観てて楽しい役だね。
 ラナ自身はインタビューでは本当にチャーミングな人なので、そのギャップが良いな。
 「あんたらの幸せぶっ壊してやる!・・・・なーんて嘘よー♥」と面白がってそう(笑)。

 ペベンシー兄弟と衣装だんす
 白雪姫とチャーミング王子が呪いから守るために、赤ん坊のエマを衣装だんすのなかに
 入れるシーンでは、これは「ナルニア」へのオマージュか?と思ったりした。

 上記)映画『ナルニア国物語 ライオンと魔女』では、衣装だんすが現実世界とナルニア世界を
 行き来する象徴的なアイテムだったからね。"wardrobe"と言ってるので、それを連想しました。
 
 エマの命綱になった衣装だんすを作ったジェペットとピノキオ。ジェペットはストーリーブルックでは
 マルコという名の大工となって登場します。息子はいない設定のマルコ。
 ピノキオは一体どこへ行ってしまったのか?

 ***ストーリーブルック***
 女王の呪いは、おとぎの国の住人の幸せを奪い、彼らの世界をまるまる別世界に閉じ込めて
 しまうこと。28年間も時の動かない町。世にも奇妙な物語のはじまりです。
 28年間も時間が動かないのを「町の呪い」だと信じるのに、ヘンリーの話は真剣に聞けないこと
 自体、君たち呪われている証拠だぜ!とのっけから突っ込みどころは満載。

 ストーリーブルックに連れてこられたエマが最初に出会うキャラクターが、『ピノキオ』の
 ジムニー・クリケットとは面白い。しかもカウンセラーって(笑)。
 あのスカーフといい、黒い傘といい、思わず笑顔がこぼれる演出です。ちなみにアーチーが
 連れていたダルメシアンには「ポンゴ」っていう名前がついてます。ディズニーネタは神出鬼没。

 今回は初回なので、ちょっとだけ主人公エマの話を。
 
 主人公エマはストイックで女のど根性万歳フラグを背負ってますね。
 正直、ドラマや映画にしても最近の作品でヒロイン像といえば、圧倒的にこういうララ・クロフトや
 ムーランタイプが主流になってきてる気がします。
 ただ格好つけるためだけに腕力を持たせ、ヒーローと同等に戦えるヒロインこそが唯一、「強い」
 ヒロインと名乗れるっていう流れがあるなら、それはちょっと違うなと思います。
 ジブリをお借りするとすれば、ナウシカタイプも、シータタイプもあって良い。要は精神力だ!
 私が主人公エマを良いなと思うのは、腕っぷしの強さじゃないです。言葉や態度で相手を説得したり、
 納得させるために最大限自分の力を発揮しようとする姿勢が好き。友達になりたい。

 
 エマを演じるのはジェニファー・モリソン
 上記)ヒュー・ローリー主演の医療ドラマ『Dr. HOUSE』でご存知の方も多いかも。
 シリアスな演技も良いけれど、コメディー路線もいけます。
 ジェニファーの良いところは、きれいに泣いたり、きれいに怒ったりしようとしてない、主人公の
 感情のままになりふり構わず演じてるところ。台本にない細かなしぐさや表情にも配慮を感じます。
 ヘンリー役のジャレッド君との掛け合いは、年の差友達見てる感覚で面白い。
 エマといえば、ジェニファー・モリソンと彼女の母親・白雪姫役のジニファー・グッドウィンは
 出来すぎなキャスティングだと思いました。
 ふたりとも顔の種類が同じだし、もっと似てるのがヘンリー役のジャレッド・S・ギルモア君と
 ジニファー・グッドウィン。これは回を追うごとに血縁関係ありそうだと納得できるくらいハマってる。

 私がストーリーブルック舞台で気に入ったシーンは、エマが家を飛び出したヘンリーを
 海辺まで迎えに行くところ。そこでエマの生い立ちが少しだけ明らかになるんだけど、あのシーンは
 不覚にも泣いた。こういう家族愛だとか、愛は地球を救うとかいうメッセージを前面に押し出されても、
 あまり動じないドライな人間なので、びっくり仰天です。
 あのシーンのジェニファー・モリソンとジャレッド君の演技は本当に光っていた。
 このシーンだけで、このドラマ有りだと思ったので、グッジョブです。

 ヘンリーを家に帰したあとに、しばらくストーリーブルックに留まることを決めたエマちゃん。
 これはまたレジーナと火花を散らすバトルが続きそうです。
 ただエマが全く動じる様子がないのがすごいよね。実の息子の成長した姿を見て、気がかりな
 ことがあるとはいえ、町長のレジーナに睨まれたら怖いわい。
 レジーナはエマに邪魔されたくなかったら、嘘でもいいから、感じの良いお母さんを演じるべき
 だったよ(笑)。攻撃的な姿勢はどうにもならないのかもしれない。

 時計の針が動き出した。
 あのヘンリーの笑顔からの、初回パイロット版の締め方は完璧でしたね。
 絶対次も観たい!っていう気持ちにさせられた。

 テンポ良し、ファンタジー&お遊び要素良し、演技良し、初回は満点です。
 がっちりと私のハートをつかんだので文句はありません。


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